『スイス時計の謎』(有栖川有栖/講談社ノベルス)

 国名シリーズの最新作。「本ミス」でも2位に入っています。個人的に有栖川有栖は好きでも嫌いでもない、という感じで多分読んだのは『ロシア紅茶の謎』(講談社文庫)以来なのではないかなぁー。……それはともかく、この『スイス時計の謎』は「安定」の一言に尽きます(ということはインパクトに欠けるという意味でもあるのですが)。ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室、犯人当て、とバラエティ豊か。特に表題作は、お見事。これぞロジック。これぞ本格ミステリ