『タイムスリップ森鴎外』(鯨統一郎/講談社ノベルス)

 いやあ、これは滅茶苦茶面白い。参った参った。ストーリーは、何者かに殺されそうになったモリリン(森鴎外)が崖から落ちて、現代にタイムスリップしてしまい、現代の生活に順応しながら、どうやって元の時代に戻るのか、誰が自分を殺そうとしたのか模索する、というもの。タイムスリップしてきたモリリンが現代に戸惑い、困惑する様が巧く表現されているし、またうらら等のキャラも立っているのがいいですね。以前、まる缶さん(id:musashi)が「『タイムスリップ森鴎外』と『タイムスリップ明治維新』は、連作として前者から読んで下さい。あと、前者はかなり泣けます。分かる人には分かります、はい」とコメントして下さったのですが、本当にその通りでラストにはちょっと感動したり……。ともかくこれはお薦め。