『眠り姫』(貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫)

 第14回富士見ファンタジア大賞を受賞した、貴子潤一郎の短編集です。ノンシリーズの短編が4編と「探偵真木」が主人公の短編(中編?もあり)を3編収めたもの。傑作との呼び声が高い本作ですが……確かに面白いです。とても完成度が高い。決してビックリするような「どんでん返し」的なオチがあるわけではないのだけれど、終わり方がとても静謐で美しい。なんつーか、最初の4編を収めたものが普通にハードカバーで書店で売っていても可笑しくないような気がします。「探偵真木」も悪くないけども、個人的にはノンシリーズの短編が好きです。お薦めできる作品ですよ。