『ライオンハート』(恩田陸/新潮文庫)

 魂は何をも超越する――。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。切なくも心温まる異色のラブストーリー。まあ、なんというか幻想的な雰囲気はいいんだけども……。う〜ん、ちょっとスマートさが足りないような感じがします。もちろん、意図的にそうしているんだろうけど。私が恩田陸を読んだ時に感じる、ある種の「微妙さ」というものがこの小説にもやはりあるのでしょう。