『パレード』(吉田修一/幻冬舎文庫)

 第15回山本周五郎賞受賞作。5人の若者それぞれの視点で物語が進んでいきます。結論から言うと、あんまりしっくりこなかったです。吉田修一さんは嫌いじゃないけど、以前に読んだほかの作品に方が楽しめたような気がします。なんというか、小説の中身に読者を入れさせないようなオブラートが、この『パレード』を包んでいるというか……。ミステリのような、起承転結がはっきりしている小説を読んでいると、こういう作品の読み方を忘れてしまうのかもしれません。