『ライオンハート』(恩田陸/新潮文庫)

 魂は何をも超越する――。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。切なくも心温まる異色のラブストーリー。まあ、なんというか幻想的な雰囲気はいいんだけども……。う〜ん、ちょっとスマートさが足りないような感じがします。もちろん、意図的にそうしているんだろうけど。私が恩田陸を読んだ時に感じる、ある種の「微妙さ」というものがこの小説にもやはりあるのでしょう。

『ケータイ刑事 銭形舞』第五話

 (・∀・)イイ!! めちゃめちゃ面白いですよ、これ。徐々に良くなってきています。舞と五代は、車がエンストしてしまって、バスに助けを求め乗ることになるのですが、そのバスが心霊ツアー中のバス。不可解な人物が乗っているわけです。で、通ると人が死ぬという真っ暗なトンネルに入って(心霊ツアーだから敢えて灯りは付けない)、出たら一番後ろの席に座っていた雑誌編集者が刺されて死んでいた。でも、靴音もしないし、香水の匂いもしないし、とにかく他の乗客たちがトンネルを走っている時に席を立って殺すのは不可能。ではいったい……。というストーリですが、この話は謎(ミステリな部分)の方ではなくて、脚本や演出が最高です。