『グッバイ、レーニン!』(監督:ヴォルフガング・ベッカー)

 これは以前から気になっていた映画で、「観たいなぁ」と思いながらもスルーしていたのですが、TSUTAYAに行ってちょうど目に入ったので、借りてきました。面白かったー。ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ社会主義を信奉している母親が、反社会主義のデモに参加している息子のアレックスを目撃し、心臓発作で倒れてしまう。結局母親が目を覚ましたのはベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが消滅してしまってからだった……。で、母親に強い刺激を与えてしまうといけないので、アレックスは部屋を社会主義東ドイツの頃と同じように仕立て、東ドイツの食べ物を見繕ったり、友人と協力してビデオテープを製作し社会主義時代と同じ内容が流れるテレビを用意したりと翻弄する。
 というようなストーリー。東ドイツ社会主義体制)を風刺したり皮肉ったり、というよりも、これは家族愛がテーマだと感じました。母親を想って、史実を隠し、母親のまわり必死に社会主義的にしていく様はコミカルかつ、哀愁を誘います。アレックスが寝ている間に母親が外に出てしまうという場面などはこっちがハラハラしてしまいました。
 最後はアレックスは偽テレビで「あり得なかった『歴史』」が示すのですが、ちょっとこの部分ではアレックスの気持ちがわかったような気がします。ともかく、お薦め映画ですよ。